
こんにちは
丸光代表 比嘉です🙂
今回の案件は、正直かなり悩みました。
現地調査の段階でも劣化症状は確認できていましたが、実際に施工へ入り、既存コンクリートを確認していく中で、想像以上に状態が進行していたケースです。
写真にもあるように、軒裏コンクリートが広範囲で剥離を起こしている状態でした。
爆裂と言われる症状になりますが、これは単純なヒビ割れや表面の剥がれではなく、内部鉄筋の錆による膨張が原因で、コンクリート自体が押し出され、浮き・剥離・脱落へ進行していく現象です。
沖縄県は台風や塩害、強い紫外線の影響もあり、RC造にとっては全国的に見ても厳しい環境です。
そのため、建物の築年数に関わらず、このような症状が発生するケースも少なくありません。
今回の工事では、施主さまにも立会いをお願いし、実際の状態を確認していただきながら慎重に進めてまいりました。
恐らく施主さま自身も、
「ここまで進行していたのか…」
という思いがあったと思います。
私たちとしては、正直想定している範囲の結果ではありました
そして施工中、
職人とも何度も話し合いを重ねました。
まず判断したのは、
① 浮いているコンクリートは、今後重力によって落下する危険性が極めて高いこと。
② 仮に従来通りの厚みで復旧しても、既存鉄筋の状態を考えると長期的に持たない可能性が高いこと。
つまり、「元通りに戻す」ことが必ずしも正解ではないという判断でした。
もちろん、見た目だけを優先して復旧する方法もあります。
ですが、それで数年後に再度剥離が起きたり、万が一落下事故に繋がってしまえば、本当の意味での修繕とは言えません。
そこで今回は、危険性の高い浮きコンクリートを慎重に撤去。
既存鉄筋についてはケレン作業を行い、錆転換剤・防錆処理を施しながら可能な限り延命処置を進めました。
さらに深みのある箇所については補強を入れ、樹脂モルタルにて約2〜3cm程度の埋め戻しを実施。
あえて従来の5cm前後の厚みまで戻さない判断をしております。
理由としては、既存鉄筋の状態を踏まえると、その重量を再び長期的に抱え込むことが難しいと考えたからです。
幸い、今回補修箇所の上部は屋上となっており、日常的に出入りする場所ではありませんでした。
さらに鉄格子が設置されている状況でもあり、施主さまと協議のうえ、安全面を考慮して屋上への出入り禁止措置も進めております。
今回のケースは、「工事をしたから終わり」ではありません。
むしろここからがスタートです。
施主さまとも話し合いながら、今後定期的に経過観察を行い、必要に応じて将来的な根本補修について家族会議も進めていく予定です。
建物というのは、時に“完璧な答え”が存在しないケースがあります。
ですが私たちは、その場しのぎではなく、「今できる最善策は何か」を職人・施主さまと一緒に考えながら、安全性と将来性を見据えた工事を進めていきたいと思っています🙂